概要

EF-33

EF-33試験は、最近、再発多形性神経膠芽腫と診断された患者さんを対象としています。

オプチューン®は、米国において食品医薬品局(FDA)によって市販前承認(PMA)の経路の下で、再発および初発多形性神経膠芽腫の治療に承認されており、また同じ適応に対して欧州でCEマーキングを取得しています。加えてTTフィールドは最近、悪性胸膜中皮腫に対して、化学療法との同時併用でオプチューン Lua™(以前のNovoTTF-100L)として、人道機器適用免除の下でFDAから承認されました。

本治験は、再発多形性神経膠芽腫に対する単独療法として、標準トランスデューサーアレイと比較して、新しいデザインのトランスデューサーアレイである高強度のトランスデューサーアレイを用いたオプチューン®の有効性と安全性を評価しています。

本機器は、腫瘍治療電場(TTフィールド)を、腫瘍が存在する脳に送達します。 本治験の依頼者であるノボキュア社は、患者さんが治験についての基本的な情報を得て、本治験への参加窓口となる医療機関へのアクセスを促進する一助になるようこのウェブサイトを維持しています。EF-33試験への参加をご希望の場合は、できる限り早く参加している治験実施施設にご連絡ください。ご自分の病状や推奨治療に関してご質問がある場合は、治療を担当している医師にご相談ください。

TTフィールドの紹介

腫瘍治療電場(TTフィールド)は、細胞分裂を混乱させるよう特定の周波数に調整した電場を使い、腫瘍の成長を阻害して、原因となるがん細胞の死滅を引き起こすがん療法です。[TTフィールドの科学]。TTフィールドは、高強度トランスデューサーアレイを用いるオプチューン®と呼ばれる治験医療機器を使って、腫瘍がある場所に送達されます。本機器は脳にTTフィールドを送達するように設計された、ポータブルかつ軽量のバッテリー駆動機器です。

TTフィールドを受ける患者さんは、 4 つのアレイを頭皮に貼り付ける必要があり、これにより、脳に非侵襲的に電場を定期的に送達します。[TTフィールドと共に生きる]。本機器は患者さんが家庭で継続的に使用することを意図しています。

オプチューン®は、米国において食品医薬品局(FDA)によって市販前承認(PMA)の経路の下で、再発および初発多形性神経膠芽腫の治療に承認されており、また同じ適応に対して欧州でCEマーキングを取得しています。また、TTフィールドは最近、悪性胸膜中皮腫に対して、化学療法との同時併用でオプチューンLua(以前のNovoTTF-100L)として、人道機器適用免除の下でFDAから承認されました。

EF-33試験

EF-33試験は、再発多形性神経膠芽腫 を対象として、高強度アレイを通して送達される腫瘍治療電場(TTフィールド)の有効性と安全性を調べるために設計された、前向き、パイロット(医薬品の第 II 相に類似)、単一群、既存対照群比較研究です。本研究中に、高強度アレイトランスデューサーを用いた医療機器であるオプチューン®から、200 kHzのTTフィールドが生成され [TTフィールドの紹介]、患者さんがそれを家庭で使用します。本治験には合計25名の患者さんの登録を予想しています。

本治験は現在チェコ共和国で患者さんを登録しています。これは単一施設施設で、1か所の治験実施施設のみ関わっていることを意味します [EF-33試験実施施設]

EF-33試験のデザイン

最近、再発多形性神経膠芽腫と診断された患者さん(最初または2回目の再発)が本治験の候補者です。本治験の最終的な適格性は、治験実施施設の治験担当医師によってのみ決定されます。

研究治療

患者さんは高強度トランスデューサーアレイを用いたオプチューン®を使って、継続的なTTフィールド(200 kHz)を受けます。本機器を使用するために、患者さんは頭皮に4つのアレイを貼り付ける必要があり、それが脳に電場を非侵襲的に送達します。

本機器の使用を開始する前に、トランスデューサーアレイの配置するために頭髪の剃毛が必要です。本機器が使用する限り、定期的に新しいセットのアレイを使用することが必要です。

本機器の使用は外来で開始しますがそれに先立って資格を持ったノボキュア社の製品使用支援者(DSS)による機器の操作に関するトレーニングがあります。患者さんは自宅で機器の使用を継続します[TTフィールドと共に生きる]。高強度トランスデューサーアレイを用いたオプチューン®を使う患者さんは、ご自分で(必要に応じてご家族または介護者の助けをかりて)機器の使用を維持したり、DSSからサポートを受けたりすることができます。

本機器はユーザーに優しく設計されていますので、使用に関するすべての技術的な側面はDSSが保守します。DSSはまた、各患者さんが正常な日常ルーチンを維持しながらTTフィールドを受けることができるように、患者さんが技術的な解決策を探すお手伝いをします。

適格性
適格性基準の完全リストについては clinicaltrials.govにアクセスするか、EF-33試験担当医師にご相談ください。

組み入れ基準(要約、完全リストではありません):

  1. 多形性神経膠芽腫と診断されていて、放射線で最初または2回目の進行が確認されている
  2. 18歳以上
  3. 治験参加への同意がある(「同意説明文書」)

除外基準(要約、完全リストではありません):

  1. テント下疾患または軟髄膜疾患がある
  2. 本研究への参加が許可されないその他の重篤な病状がある
  3. 登録前に(初発または再発疾患に対して)オプチューン®による治療歴がある
  4. ペースメーカー、除細動器が植え込まれていて、脳に電子機器が植え込まれている

登録

合計25名の患者さんの登録を予想しています。本治験は現在チェコ共和国で患者さんを登録しています。これは単一施設試験ですが、これは1か所の治験実施施設のみが関わることを意味します。

EF-33試験への参加をご希望の場合は、できる限り早く参加している治験実施施設にご連絡ください [EF-33試験実施施設]。

治験費用

治験依頼者(ノボキュア社)は、高強度トランスデューサーアレイと付属品を含むオプチューン®をはじめ、適切な技術的治療に関連した物品に対しての支払いを行います。患者さんと健康保険には、通常の診療過程で受ける医学的治療の支払い責任があります。治験依頼者はまた、治験手順に関連した交通費の一部に対して、患者さんに払い戻します。そのような払い戻しは、患者さんが治療を受ける治験実施施設の方針に従ってのみ行われます。本研究への登録に先立って、地域の払い戻し方針とご自分の権利について、治験実施施設の治験チームにご相談ください。

EF-33試験実施施設

治験実施施設に連絡できず、本研究についての完全な情報を受け取ることができない場合は、eメールにて件名に「EF-33」と書いて患者情報部門に質問を送ってください。

Nemocnice Na Homolce
Prague, Czechia, 150 30
治験責任医師:Josef Vymazal, Prof. MD, DSc 連絡先:Josef Vymazal, Prof. MD, DSc +420 257 272 614      Josef.Vymazal@homolka.cz
連絡先:Aaron Rulseh, PhD       Aaron.Rulseh@homolka.cz

TTフィールドと共に生きる

EF-33試験に参加する患者さんは継続的に本機器を使いますが、治験期間中を通して、TTフィールドの1日の着用時間が平均して18時間以上になるようにすれば日中に休憩することができます。治験担当医師は必要に応じて、治療予定と機器の使用を修正する可能性があります。

ノボキュア社は、地域の製品使用支援者(DSS)を通して技術的支援を患者さんに提供します。DSSは総合的な技術支援を提供する一方で、患者さんの医療チームは全ての医学的な疑問に継続的に対応し、患者さんのすべての治療上の決断をできるようにします。

高強度トランスデューサーアレイを用いたオプチューン®の使用は、頭髪の剃毛と、医療機器の継続的操作が必要です。

患者さんの中に、本機器を使用中のご自分の外観またはライフスタイルについて心配される方がいらっしゃるのは自然なことです。

これらの懸念に対応するために、オプチューン®は、戸外を歩く、買い物、友人や家族と会うなどの通常の日課を妨害することなく、患者さんのライフスタイルを維持できるように注意深く設計されています。治療担当医師は、疑問のある活動すべてに関して、ノボキュア社に事前に相談することができます。加えて、地域のDSSがライフスタイルの懸念に対して情報を提供することができます。

ノボキュア社は、戸外活動を含む、活動的なライフスタイルを維持する患者さんに必要な数のバッテリーをご提供いたします。

トランスデューサーアレイを剃毛した頭皮の上に配置します。患者さんは、通気性が良く、トランスデューサーアレイを隠すために、目の粗い織りのかつらまたはゆるい帽子などの頭を覆うものを着用することができます。多くのオプションが利用でき、希望する解決策のための財政的支援は、治験実施施設の方針に従い、ノボキュア社の承認に基づいて、ノボキュア社よりご提供する可能性があります。患者さんは、その様な財政的支援の情報について、医療チームに相談すべきです。

トランスデューサーアレイに接続しているワイヤは、患者さんの洋服の下に、容易に隠すことができます。そうすることで、本機器のキャリーバッグだけが、他の人に見えるオプチューン®の唯一の部分になります。

キャリーバッグはノボキュア社が各患者さんに提供し、バックパック、ショルダーバッグ、またはサイドバッグ(クロスボディ)として使用できます。キャリーバッグは主流のバッグのトレンドとよく調和します。

バッテリーを含む本機器の総重量は約1.2キログラムですが、大半の患者さんは、必ずしも常に機器を持ち運ぶ必要はなく、1つの場所にいる間はそこで継続的に置いて使います(例:机やテーブルの上、またはキャリーバッグに入れて床の上で)。

本機器の使用は、家庭用または個人用電気機器に干渉しないはずです。同僚や家族などの、非使用者がTTフィールドに曝露されることは知られていません。

TTフィールドの科学

がん細胞は、脳がん内で急速に分裂して増殖します。これらのがん細胞はさまざまな種類の帯電要素をもっており、それが細胞分裂の過程で役割を担っています。脳のその他の健康な細胞も増殖しますが、そのスピードはがん細胞よりもずっと遅かったり、がん細胞と比較してサイズが異なったりするなど、その他さまざまな特性を持っています。そのため、正常細胞が分裂中のがん細胞と同様の電気的特性を持つことはまれであり、TTフィールドの影響を受けることは予想されません。

TTフィールドの作用メカニズム

本治験で使われる高強度トランスデューサーアレイを用いたオプチューン®は、皮膚とその他のもっと表面的な組織を通して、低強度の交流電場を腫瘍のある場所に送達します。これらの電場は、腫瘍治療電場またはTTフィールドと呼ばれます。前臨床研究では、がん細胞が増殖するときの形と大きさから、TTフィールドが分裂細胞内部の帯電細胞成分の場所を変化させ、がん細胞の通常機能を混乱させ、最終的に細胞死につながる可能性のあることが明らかになりました。また、がん細胞には小さな構築ブロックも含まれており、それが細胞の必須部位をさまざまな場所に移動させるモーターとして機能します。これらの小さなモーターも帯電していますので、TTフィールドがそれらの正常な向きに干渉します。これら2つの効果の結果、腫瘍細胞の分裂が遅くなり、細胞の死滅または細胞分裂の逆転につながります。継続的なTTフィールドへの曝露により腫瘍成長の阻害につながる可能性があります。TTフィールドの健康な脳細胞への影響は、がん細胞への影響よりもずっと低いです。健康な脳細胞は増殖しても、がん細胞よりもスピードがずっと遅いからです。

TTフィールドの作用メカニズムのまとめを次のアニメで図示しています。

過去の臨床経験

以前の臨床研究では、再発および初発多形性神経膠芽腫におけるTTフィールドの有効性と安全性が証明されました。これらの肯定的な臨床研究の結果に基づいて、オプチューン®は、FDAによって市販前承認(PMA)の経路の下で、再発および初発 多形性神経膠芽腫の治療に承認されました。同じ機器が、欧州で膠芽腫の治療にCEマーキングを取得しています。

また、TTフィールドは最近、悪性胸膜中皮腫に対して、化学療法との同時併用でオプチューンLua(以前のNovoTTF-100L)として、人道機器適用免除の下でFDAから承認されました。

承認された使用適応症に関する詳細情報については、治療を担当している医師にご相談ください。

副作用

TTフィールドの科学的背景と現在までの臨床結果に基づき、多形性神経膠芽腫の患者さんにおける高強度トランスデューサーアレイを用いたオプチューン®の使用では、機器の副作用は予想されません。

オプチューンを用いて実施した以前の研究において、トランスデューサーアレイの直下の局所的な皮膚刺激を経験した患者さんが高い割合で見られました。その重症度は、大半の症例で軽度から中等度でした。

再発多形性神経膠芽腫を対象とした以前の治験で、以下の機器関連の有害事象が報告されました。

医療機器装着部位の反応 – 116例中18例(16%)

頭痛 – 116例中4例(3%)

倦怠感 – 116例中2例(2%)

筋肉けいれん – 116例中1例(1%)

転倒 – 116例中1例(1%)

皮膚潰瘍 – 116例中1例(1%)

上述した研究では、治験担当医師の判断で、TTフィールドには関連する重篤な副作用はありませんでした。本機器に関連した唯一の副作用は、皮膚の上に置かれたトランスデューサーアレイの直下の軽度から中等度の皮膚刺激でした。

このウェブサイトで提供している情報は一部ですので、TTフィールドの完全な安全性プロファイルについては治療担当医師に相談してください。

よくある質問

この EF-33試験のステージは何ですか?

再発多形性神経膠芽腫の患者さんを対象とした EF-33試験はパイロット研究です。高強度トランスデューサーアレイを用いたオプチューン®は医療機器であり医薬品ではありませんので、従来の治験薬の第 I 相、第 II 相、第 III 相のプロセスを辿りません。このパイロット研究は、構造と目的が医薬品の第 II 相治験に類似しています。

EF-33試験への参加方法

本治験は現在チェコ共和国で患者さんを登録しています。これは単一施設試験ですが、これは1か所の治験実施施設のみが関わることを意味します。治験実施施設の治験責任医師にご連絡ください。治験実施施設に連絡するための援助サポートが必要な場合は、ノボキュア社、治験依頼者にご連絡いただいても結構です。

EF-33試験に参加するために費用は発生しますか?

いいえ、治験依頼者が高強度トランスデューサーアレイを使用するオプチューン®とすべてのサポート付属品を無料で提供します、詳細情報については EF-33試験をご覧ください。

TTフィールドに予想される副作用は何ですか?

現在までに弊社で収集されたさまざまな条件での臨床データに基づき、高強度トランスデューサーアレイを使用するオプチューン®では、全身性の副作用は予想されません。トランスデューサーアレイの直下の皮膚刺激を経験した患者さんがいらっしゃいます。詳細情報については、TTフィールドの科学をご覧ください。

TTフィールドが送達されるとき、トランスデューサーアレイが頭皮の軽度の加温とヒリヒリ感をひき起こす可能性があります。

EF-33試験における高強度トランスデューサーアレイを使用するオプチューン®による潜在的な副作用に関する追加情報については、治験に参加している医療機関の治験担当医師にご相談ください。

機器は常に携帯する必要がありますか?

本機器とバッテリーの重量は合わせて約1.2キログラムで、歩いて移動するときは、専用のショルダーバッグまたはバックパックに入れて運ぶことができます。患者さんは、必ずしも常に本機器を持ち運ぶ必要はなく、1つの場所にいる間はそこで継続的に置いて使います(例:机やテーブルの上、またはキャリーバッグに入れて床の上で)。本機器は通常の日常ルーチンができるように設計されました。

TTフィールドの使用が家族や他の人々に何かリスクをもたらしますか?

本機器の使用が、家庭用または標準的な個人用電子機器に干渉することはありません。同僚や家族などの、非使用者が TTフィールドに曝露されることはありません。

機器が私の社会生活に影響することはありますか?

本機器は、患者さんが日課を継続できるように設計されていますトランスデューサーアレイを隠すために、通気性が良く、目の粗い織りのかつらまたはゆるい帽子などの頭を覆うものを着用することができ、またアレイワイヤを洋服の下に配置することもできます。製品使用支援者(DSS)は、TTフィールドを使うときのあなたの見た目の問題に関連した援助とサポートを提供します。追加情報については、[TTフィールドと共に生きる] をご覧ください。

EF-33試験に登録する場合、TTフィールドに加えて他の抗がん療法を受けますか?

本研究の患者さんは治療担当医師の判断で、TTフィールドと利用可能な最善の支持療法も受けることができます。

TTフィールド以外の他の併用抗がん療法や手順は禁止されます。

EF-33試験中、機器はどのくらいの時間着用する必要がありますか?

患者さんは本機器を昼間と夜間を通して、1日に18時間以上着用します。個人的な必要性のために短時間、本機器を取り外すことはできます。治験治療は、臨床試験実施計画書に従ってあなたの治験担当医師が多形性神経膠芽腫の進行と診断するまで、または18か月間(2つのいずれか早い方)継続します。治療は、治験担当医師の評価により、重篤な医学的状態のために中止する場合があります。また、本機器の使用開始後いずれかの時点で、あなたがTTフィールドの停止を決断することもできます。EF-33試験に関する詳細情報については、EF-33試験をご覧になるか、参加治験実施施設にご連絡ください。